司法試験・予備試験実践論証

予備試験合格・司法試験総合42位合格者作成の論証集。予備校講座の一歩先へ。

刑訴

【論証】刑訴4証拠法⑵伝聞証拠

刑訴法の中でも最重要かつ最頻出分野の一つである、伝聞証拠の証拠能力についてみていきましょう。 伝聞証拠と伝聞法則 要証事実との関係 非伝聞 領収書 精神状態供述 犯行計画メモ 要証事実が「事前謀議の存在」であるとき 要証事実が「作成者の犯行の意図…

【論証】刑訴4証拠法⑴証拠法序説・関連性

ここでは、証拠能力の基本及び関連性(伝聞証拠を除く)にかかわる論点を検討します。 証拠法序説 厳格な証明と自由な証明 実体法的事実 訴訟法的事実 情状事実 間接事実・補助事実 関連性 類似事実の立証 科学的証拠 写し 証拠法序説 まず、証拠能力と証明…

【論証】刑訴2公訴⑶訴訟条件

裁判所が実体審判を行うための手続的要件のことを訴訟条件といいます。ここでは、その中でも、訴訟条件(告訴を例に)の追完、不適法訴因への訴因変更の可否、また、訴因と心証とで訴訟条件を異にする場合の措置として訴訟条件の判断基準、形式裁判を導く縮…

【論証】刑訴2公訴⑵訴因変更

訴因変更にかかわる諸論点について検討します。訴因変更の要否、縮小認定、訴因変更の可否、訴因変更命令について検討していきます。 訴因変更の要否 縮小認定 訴因変更の可否 訴因変更命令 訴因変更の要否 裁判所の心証が訴因と食い違っている場合、裁判所…

【論証】刑訴2公訴⑴公訴の基本原則

まず、検察官の公訴権の行使について、一罪の一部起訴と公訴権の濫用を検討します。次に、公訴提起の手続・効果にかかわる問題として、訴因の特定、起訴状一本主義について検討します。 一罪の一部起訴 訴因外の事実 公訴権の濫用 嫌疑なき起訴 不起訴相当の…

【目次】刑訴1捜査

⑴捜査法の基本枠組み ⑵捜査の端緒 ⑶逮捕・勾留 ⑷証拠収集 ⑸被疑者の防御 ⑹起訴後の捜査 ⑴捜査法の基本枠組み shihouyobi.hatenablog.com shihouyobi.hatenablog.com ⑵捜査の端緒 shihouyobi.hatenablog.com ⑶逮捕・勾留 shihouyobi.hatenablog.com shihouyob…

【論証】刑訴1捜査⑹起訴後の捜査

起訴された後には、起訴以前のような捜査が許されなくなることがあり得ます。 起訴後の捜査 被告人の取調べ 起訴後の捜査 【論証:起訴後の捜査】 捜査は第一次的には起訴・不起訴の決定を目的とするが、捜査の目的には公判の準備も含まれるから、起訴後にお…

【論証】刑訴1捜査⑸被疑者の防御

この分野において論文で出題可能性が高いのは接見交通権だと考えられます。ここでは、秘密交通権、面会接見、接見指定について検討します。 秘密交通権 面会接見 接見指定 要件該当性 「捜査の必要があるとき」 「公訴の提起前に限り」 指定内容 秘密交通権 …

【論証】刑訴1捜査⑷証拠収集Ⅲ

ここでは、前回までに扱えなかった、領置及び取調べについて検討します。 領置 取調べ 身体拘束中でない被疑者の取調べ 身体拘束中の被疑者の取調べ 領置 捜査機関は、「被疑者その他の者が遺留した物」、所有者等が「任意に提出した物」を無令状で領置する…

【論証】刑訴1捜査⑷証拠収集Ⅱ

前回の記事では、令状に基づく捜査について検討しました。刑訴法は、令状がない場合であっても、「逮捕する場合」には、捜索・差押えを行うことができると定めています(220条)。 そこで、今回は、この逮捕に伴う無令状捜索・差押えについて検討していこう…

【論証】刑訴1捜査⑷証拠収集Ⅰ

犯罪捜査のために証拠を収集する手段として、刑訴法は「差押え」「捜索」「検証」(218条~220条)「領置」(221条)「鑑定」(223条以下)「取調べ」(198条、223条)等を定めています。 ここでは、令状によって行われる捜索・差押え(検証)についてみてい…

【論証】刑訴1捜査⑶逮捕・勾留Ⅱ

ここでは、逮捕・勾留にかかわる問題として、逮捕前置主義(違法逮捕後の勾留請求も含む)、事件単位の原則、一罪一逮捕一勾留の原則(再逮捕・再勾留も含む)、別件逮捕・勾留について検討します。 逮捕前置主義 違法逮捕後の勾留請求 事件単位の原則 一罪…

【論証】刑訴1捜査⑶逮捕・勾留Ⅰ

被疑者の逃亡や罪証隠滅を防止しつつ捜査を遂行するための手段として、法は逮捕及び勾留を定めています。今回は逮捕・勾留の要件を中心に検討します。 逮捕 通常逮捕 現行犯逮捕 現行犯逮捕 準現行犯逮捕 緊急逮捕 勾留 逮捕 逮捕は、被疑者を比較的短時間拘…

【論証】刑訴1捜査⑵捜査の端緒

捜査機関が捜査を行うのは「犯罪があると思料したとき」(189条2項)です。そして、その前提として犯罪発生の情報を何らかの方法で取得する必要があります。このように、捜査機関が特定の犯罪事件の存在に関する嫌疑を抱くきっかけのことを捜査の端緒といい…

【論証】刑訴1捜査⑴捜査法の基本枠組みⅡ

前回の記事で強制処分該当性と任意捜査の限界について検討したので、今回はこれらの判断枠組みによって実際の捜査方法がどのように判断されるのかを見てみましょう。 shihouyobi.hatenablog.com 具体的には、写真・ビデオ撮影、秘密録音、GPS捜査、おとり捜…

【論証】刑訴1捜査⑴捜査法の基本枠組みⅠ

強制処分 任意捜査の限界 強制処分該当性の判断及び任意捜査の限界は刑訴の最重要論点の一つであり、司法試験、予備試験でも何度も出題されています。 強制処分を用いた捜査を強制捜査といいます。 強制処分 「強制の処分」(197条1項但書、以下強制処分)に…